石破総理はなぜ、中露を利する「反省」を口にしたのか

終戦から80年の節目を迎えた8月15日、石破総理は政府主催の全国戦没者追悼式の式辞で、「戦争の惨禍を決して繰り返さない。進む道を二度と間違えない。あの戦争の反省と教訓を、今改めて深く胸に刻まねばならない。」と述べ、恒久平和の実現に向けて行動していくと述べられました。

なぜ敢えて戦没者追悼式の式辞で、再び2012年民主党政権だった野田総理以来の「反省」のことばを使われたのか。

政府関係者の説明によると、「二度と戦争は起こしてはならないという決意の表れであり、アジアの国々へのお詫びを強調するものではない」とのことでありました。

しかし、日本に対し未だに謝罪と反省を求め、愛国心の高揚を図るために利用し、我が国を影響下に入れる意図がある国が近くに存在する状況において、これに応じることは、国際社会の力学を知らない者の所業となり、日本に寄せられるアジアの国々の期待を裏切る行為と言えます。

このような石破総理は、本年「抗日戦争勝利80周年」と位置付け、反日感情を煽る中露の連携の動きをどのように感じているのでしょうか。

「北方領土」と「尖閣」で中露共同歩調の懸念が現実化している中で、中露を利するだけの石破総理の軽々な行為は、厳に慎んでいただきたいと思います。そして教訓とすべきは、ロシアによるウクライナ侵攻の厳しい現実です。

今求められるのは、「台湾有事」に向けて緊張が高まる状況において、英霊や戦没者の方々が願われた、祖国を守り、国民の命と平和な暮らしを守るための重層的な外交戦略と切れ目の無い安全保障の更なる充実です。

私たちは、武士道の基本とされる「礼」と「礼節」を常に重んじながらも、「自分の国は自分で守る」という当たり前の危機管理体制の強化を着実に進めていくべきです。

最後に、今後検討されている石破総理の戦後80周年に際した見解発表は、国益を損なう恐れが大いにあり、絶対に辞めていただきたいと切に願っています。

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