今年に入り、物価高騰が食糧価格を主因に拡大する中で、米国の関税政策により景気の先行きが不透明となり、円安圧力により更なる混乱を招く恐れがあります。
こうした状況を受け、自民党内からも食料品を対象とした消費税減税を参院選の公約に掲げるべきとの声が出ています。
世界では、物価高騰が続く状況において、103の国・地域で消費税にあたる付加価値税を減税しています。国際労働機関(ILO)のリポートでは、「減税は低所得者の家計の負担を軽減する」と指摘されており、ドイツでは2020年のコロナ禍において、税率を半年間引き下げたことが国内総生産(GDP)を0.3%押し上げた乗数効果が表れました。その他にもノルウェー、韓国、中国、オーストリア、ベルギー、ギリシャ、キプロス、コロンビア、ブルガリアが減税しております。
消費税減税は言うまでもなく、事業者への給付金と違い、中間企業への手数料もなければ振り込む手間もなく、最も簡素で公平で効率的な政策です。物価高騰で困難に直面している国民にとっては、毎日の買い物の度に恩恵が生まれ、そのことが消費を喚起し内需を拡大します。
また多くの中小事業者は、赤字でも消費税納税を迫られており、中小事業者の支援策として効力があります。
党内では、森山幹事長が「消費税収は全て社会保障財源に充てることとされている」とか、鈴木前財務大臣も「消費税減税は実施すべきではない」との発言があり、「税率を一度下げると、元に戻すことも相当な政治的エネルギーがないとできない」と指摘するなど消極的です。
一時的な給付金では、消費を喚起するまでにならないことからも、今は米国の関税政策による景気後退が懸念される状況において、内需を支えるためにも、管仲の「予(あた)うる取りたるを知るは 政治の宝なり」の言葉のように、与党案として消費税減税を実施していただきたいと思います。