2009年03月13日 予算特別委員会 | 「ゆるぎない信念が東京を変える!」「誠実に、まっすぐに。」

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自由民主党


2009年03月13日 予算特別委員会

次にオリンピック・パラリンピック招致における教育機関の携わりについてお伺いします。
東京都は現在、全庁あげてオリンピック・パラリンピック招致に取り組んでおります。オリンピックの基本理念は、スポーツを通じて心身ともに健全な青少年を育成し、平和でより良い社会の建設に貢献することであります。そうした理念を踏まえ、都は未来を担う子供達が平和の尊さを学び合い、多くの感動を通し、夢と希望が持てるようにと、去る2月12日、立候補ファイルを提出し、10月2日の決定日まで、招致活動を更に展開している所であります。
こうした活動の展開と同時に、私は、学校教育においても子供達に、オリンピックが目指す理想や歴史などについて正しく理解させ、平和社会に貢献できる態度を醸成していくことは、極めて大切なことであろうと考えております。
過去を振り返れば、昭和39年に行われた東京オリンピックでは、招致の5年前、ミュンヘンのIOC総会で、日本の外交評論家の平沢和重氏が、小学校6年生の日本の国語教科書を片手に、「この教科書を見れば分かるように、日本ではオリンピック運動を、義務教育の段階から誰もが学んでいる」と力説し、開催都市の栄誉を勝ち取ったと言われております。今こそ戦後復興期にあった当時の日本人の熱い思いを呼び起こすべきであろうと思います。
そこで学校においてオリンピック学習を展開していくことについて、都教育委員会としての基本的な認識をお伺い致します。
[答弁①] 教育長
・現在、小学校においては、社会科や道徳などの授業において、1964年の東京オリンピックの歴史的な意義やフェアプレイの精神などを学習している。
・このたびの学習指導要領の改訂に伴い、今後、中学校や高等学校においては、オリンピックが国際親善や世界平和に貢献していることやオリンピック・ムーブメントについて必ず学習することとなっている。
・我が国の将来を担う児童・生徒が、スポーツに親しみオリンピックの精神や理念について学習することには、極めて高い教育的意義があると認識しており、今後ともオリンピック学習の充実に努めていく。
このことについては、我が党の平成19年の第1回定例議会において、予算委員長である服部委員よりも質問致しております。当時、オリンピック精神とオリンピック運動の意義を子供達に教育していくべきであると主張したことに対しまして、教育長からは「オリンピック精神やオリンピック・ムーブメントの意義を正しく理解し、スポーツを通して心身の健全な発達を遂げ、平和な社会の実現に貢献する態度を身につける教育を、オリンピック招致に向けて、更に推進していく。」との答弁を頂いているところであります。
子供達が、スポーツに親しみ、心身の調和的な発達を遂げつつ、オリンピックに関する学習を充実させることは重要であります。
そこで、これまで都教育委員会は、スポーツやオリンピックについてどのように指導を充実してきたのか、現状を伺います。
[答弁②] 教育長
・スポーツ都市東京を実現していくためには、スポーツに親しむ児童・生徒の育成が極めて重要な課題である。このため都教育委員会は、すべての児童生徒に、運動することの楽しさや、スポーツにより心身を鍛えることのすばらしさを認識させるため、体育授業の充実や部活動の振興に取り組む一方、東京国体を見据え、競技力の向上にも努めてきている。
・特に平成20年度には、都内公立学校123校を「スポーツ教育推進校・協力校」と指定し、スポーツの振興を図るとともに、児童生徒にオリンピック学習読本を配布し、オリンピックの歴史や意義、フェアプレーやスポーツと環境などに関する学習に役立てている。
・学校の授業や部活動に、ソフトボールの上野選手やサッカーの山本元監督を初めとするトップアスリートや優れたスポーツ指導者等を延べ30回派遣し、児童生徒がアスリート等と直接交流することを通じて、より一層スポーツに親しむこと、夢を持ち、努力することの大切さを直接学習することができる機会を設定してきた。
我が党は、子供達の健全育成のためにも、部活動の振興を訴えてきており、オリンピックを目指してスポーツ都市東京を実現していくためには、その基盤となる子供達のスポーツ活動の充実は、欠かすことのできないものと考えております。
今、答弁がありましたオリンピック学習読本ですが、昨年9月にようやく完成し、教育機関に配られています。聞くところによると、招致活動を展開している段階で、こうした学習読本を製作している例は世界的にも珍しいと聞いております。私、学習読本をじっくり読んでみました。とても素晴らしい内容です。僭越ながら、改めてオリンピック精神の普及こそ、今の時代に必要であると思い、是非一読をお勧めします。我が国とオリンピックの関わりの歴史、オリンピックが目指すもの、友情やフェアプレイなどの精神性、古代オリンピックやパラリンピック、環境とスポーツなど実に的を射た内容によって構成された教育的価値の高いものと考えます。
本年度の途中で完成し、一部の学校にだけ配られたとういう現状において、教材としての研究や活用方法についての準備不足は否めないだろうと思いますが、せっかくの教材ですので、多くの学校で活用するようにご尽力いただきたいと思います。新学習指導要領にもオリンピック教育が加えられておりますが、このオリンピックの学習読本の活用も含め、今後更に取り組みを推進すべきであると考えますが、教育長の決意を改めてお伺いします。
[答弁③] 教育長
・今年度、スポーツ教育推進校にてオリンピック学習読本を活用した結果、総合的な学習の時間においてオリンピズムやフェアプレイ等の調べ学習を行ったり、スポーツと環境問題に取り組んだりするなど、有効活用が図られている。
・平成21年4月には、こうした事例をとりまとめた実践事例集とオリンピック学習読本を都内すべての公立学校に配布するとともに、各学校においてオリンピック学習読本を有効に活用するよう指導していく。
・さらに、平成21年度は、スポーツ教育推進校を200校に指定することや、アスリートの学校派遣事業を拡充、することを通して、スポーツ教育推進の趣旨の徹底を図り、心身ともに健全は青少年の育成に取り組んでいく。
学校教育においても、様々な取り組みを通して、オリンピック学習を展開しており、今後充実していく方向にあることが理解できました。学校で指導する内容には教育的価値が備わっていることが大切であろうと思います。今、東京都は招致活動に取り組んでおりますが、子供達には、スポーツに親しむことや、オリンピックというものを学習することによって、立派な人間に育ってほしいと願っております。
そして10月2日、開催都市の決定に際しては、感動の舞台がこの東京になる喜びを、子供達とも分かち合えますよう念じ、次に移ります。
私も零細企業の経営に10年以上携わってきた者として、中小零細企業振興施策には、区議会の時より関心を持って取り組んでまいりました。日本の法人の99.7%は中小零細企業であり、GDPの6割を担っております。また雇用者の71%が中小零細企業で働いております。そうした中小零細企業の活性化こそ、日本経済の確固たる回復につながっていくものと思っております。
そうした中で、先月私の地元大田区で「大田工業フェア」が開催され、様々な企業の経営者の方々と交流を持たせて頂きました。今回の工業フェアは、こうした景気が影響しているのか、都外からのバイヤーも新技術や新製品の商談に訪れるなど、今まで以上に盛況でありました。
しかし、企業経営者や業界の青年会の役員の皆様からは、「親企業や主要取引先である企業の急激な業績悪化により、仕事が半減するなど極めて厳しい状況にあり四苦八苦している。緊急保証融資によって何とか息を付いているが、いつまで息を付けるかわからない。」「景気が悪くなってくると、親企業や取引先から、不具合の納品があるとして返品があったり、値引き要求が増えてくる。」といったお話を伺いました。
まず、そこでお伺いしますが、都でも、東京都中小企業振興公社が下請け取引に係わる苦情相談等を行っておりますが、現状はどうなっているのかお伺いします。
[答弁④] 産業労働局長
・東京都中小企業振興公社で行っている苦情紛争相談等の実績は、平成20年4月から21年2月末までで、相談件数が387件と昨年度の約5倍、調停申立が13件で昨年度の約4倍と大幅な増加となっている。
・主な相談内容としては、売掛代金の回収や値引き等の「代金回収」に関する相談が約6割、発注品の受領拒否や予告なしの取引中止などの「取引契約」に関する相談が3割となっている。
今ご答弁頂いて、「代金回収」や「取引契約」に関する苦情相談が多いという実態がよくわかりました。
私も、実際に下請取引にかかる苦情を多くの中小企業の皆様から伺っております。先のフェアに出展した企業の経営者からも、「単品スライドにより、請求代金の変更を請求しようとしても、下請代金支払遅延等防止法の『下請取引適正化推進講習会テキスト』が分厚いため、内容が理解できない。このため、親企業の言いなりにならざるを得ない。結局何も分からないのが現状である。」とか、「発注企業との取引について、中小企業振興公社へ相談したことの情報を親企業が知ると、次の発注がなくなる恐れがあるので、下請企業は相談ないし調停までは持ち込めない。」という話も伺いました。
正に下請企業は泣き寝入りせざるを得ない状況であります。このような中小企業の状況を鑑み、下請法の遵守を親企業や下請企業に積極的に働きかけ、これまで以上にきめ細かく対応することが重要であると考えておりますが、見解をお伺いします。
[答弁⑤] 産業労働局長
・東京都中小企業振興公社は、下請取引適正化のより一層の推進を図るため、自治体関係機関として、全国初となる「裁判外紛争解決事業者」(いわゆるADR)の認証を昨年7月受けた。
・あわせて、今年度から新たに「取引適正化相談員」を配置し、直接中小企業を巡回して下請取引相談や下請法の周知に努めている。
・下請企業からの個別の相談については、「下請紛争処理相談窓口」において、親事業者との取引を可能な限り継続しつつ、その適正化が図られるよう、秘密厳守に最大の意を配し対応をしている。
・また、親事業者を対象に下請法遵守のための講習会等を開催し、適正な取引を働きかけている。
・さらに、平成21年度から公社本社の「紛争解決専門員」を増員するほか、多摩支社に「紛争解決専門員」、「取引適正化相談員」を配置し、相談体制の充実を図る。
・今後とも、下請企業の相談にきめ細かに対応するとともに、必要に応じて、あっせんや調停を行うなどして親事業者と下請事業者の適正な取引を確保していく。
日本の産業の強みは、多くの中小企業が存在するという産業の裾野が広いことであったが、そのつながりが単なる契約ベースになってきているということは、技術立国として危機的状況であると言わざるを得ません。中小企業が崩れれば、日本の経済の地盤そのものが崩れ、川上の大企業も崩れていくしかない。最後の部分でこの流れを押し返し、地盤を支え、守っているのが、中小零細企業の経営者の方々であるという認識こそ大切なことであります。
とにかく、今後ともデリケートな相談体制の充実をお願い致します。
では、次に、知的財産に関する中小企業への支援についてお伺いします。
大田区の工業フェアの出展企業を見ても、独自の技術で新製品等を開発して頑張っている企業も多いですが、こうした企業から話を聞くと、少し売れるとすぐに類似品が出回るため、なかなか収益に結び付かないという声もあります。
世界的な景気の後退で、競争がますます厳しくなる中、自社が有する知的財産を確実に保護し、それをしっかりと収益に結び付けていくことの重要性が高まっていると考えます。
しかしながら、中小企業の場合、技術は素晴らしくても、契約書などの書類の作成には不慣れだという企業も多く存在します。また、具体的な被害やトラブルが生じるまで知的財産に関する対策をおろそかにしていたという事例も少なくありません。
都は、知的財産総合センターを設け、中小企業に対する知的財産関連の支援を行っておりますが、取り組みの現状と今後の方針をお伺いします。
[答弁⑥] 産業労働局長
・都は、「知的財産総合センター」を設置し、中小企業の相談への対応、セミナーの開催、外国特許の出願助成などの支援を行っている。
・ご指摘のとおり、中小企業の中には、技術はすばらしいものの、秘密保持などに関する書類が必ずしも的確に作成できていない企業もある。
・こうしたことから、相談対応やセミナーにおいては、特許出願への支援に加え、秘密保持のための契約書の書き方や社内規程の作り方など、きめ細かいアドバイスを行っている。
・今後は、より早い段階からアドバイス等を行うことが重要であることを踏まえ、相談を待つだけでなく、例えば、中小企業振興公社に新製品の販路開拓支援を依頼してきた中小企業に知財センターの相談員が出向くなど、より積極的な姿勢で中小企業への支援を行っていく。
ただ今の答弁のように、こちらから積極的に情報を収集し、出向いていくという姿勢こそ、真の中小零細企業対策であると思っております。何度も言いますが、素晴らしい技術はあっても、その他のことは不慣れであり、できないというよりはやりきれない事業所が多いのが現実であります。こうしたことを踏まえ、今後とも前向きな取り組みを強く要望致します。
次に、中小企業に対する金融支援策について質問致します。
景気が急速な悪化を続ける中、都内中小企業は極めて厳しい環境に置かれており、優良企業ですら大幅に売り上げが減少するなど、前例にない危機に直面しております。
今、多くの中小企業は制度融資などで息をつないでおり、これは一つに「内部留保全課税」による過小資本に問題があると思われますが、都が中小企業の資金繰り支援で果たすべき役割は、これまで以上に重要となっております。
企業が注文を受けてから納品し、支払いを受けるまでにはかなりの日数を要することがあります。通常なら、他の仕事の入金で何とかやりくりするところでありますが、受注が大幅に減少した現在、企業が資金ショートを引き起こす恐れが高まっております。
都においては、このような事態を未然に防ぐため、企業の個々の経営状況に対応した、きめ細やかな金融支援を今後も充実させていくことを望みます。
目下、中小企業による資金繰りの頼みの綱となっているのが、昨年10月から開始された緊急保証制度であり、既に多くの企業に活用されておりますが、緊急保証制度のこれまでの実績と、中小企業にとってどのように役に立っているのかお伺いします。
[答弁⑦] 産業労働局長
・都は昨年10月末から、国の緊急保証制度に対応し、制度融資に最優遇金利を適用した融資メニューである「経営緊急」を設置するとともに、特に小規模企業者には、保証料の2分の1を補助するなど、都独自の対応行っている。
・本年2月末における「経営緊急」の実績は、31,648件、7,600億円に上っており、多くの企業に利用され、運転資金の調達や既存債務の返済負担の軽減などに役立っている。
ただ今の答弁で、緊急保証制度が資金繰りに苦しむ中小企業にとって大きな役割を果たしていることがわかりました。
しかしながら、緊急保証制度については、よく「通常の枠とは別枠で保証が受けられる」と宣伝されておりますが、中小企業の方々のお話を伺ったところ、実際に緊急保証制度を申し込むと、保証枠を一杯に使い切っているため利用できない、という声を多く聞いております。
この場合の保証枠は通常、無担保の保証枠を指すと理解しておりますが、その金額は企業によりまちまちで、返済に充てられる資金力などに応じて決まってくるものであります。
この「別枠」の表現は元々、国のPRの仕方によるものでありますが、中小企業の経営者の間には、必ず追加の保証が受けられるのでは、という誤解を招きやすいものであり、都においてもPRに際しては留意して頂きたいものです。
さて、多くの中小企業がそれぞれの保証枠の中で、資金繰りに苦労しております。枠を使い切った場合、物的担保でもない限り追加の保証を受けることは困難であります。
そこで、制度融資において、無担保保証の割合はどのくらいなのでしょうか、教えて頂きたいと思います。
[答弁⑧] 産業労働局長
・平成19年度における企業向けの保証実績を見ると、無担保保証は件数ベースで94%、金額ベースで88%を占めている。
およそ9割以上の企業が無担保保証を受けているということは、信用保証協会が物的担保を持たない中小企業の信用力を評価し、積極的に保証を行っていることの表れと考えます。
しかし、裏返せば、不動産資産に乏しい中小企業は無担保の枠を超えて保証を受けるのが難しいことも示しており、現下の厳しい経営環境のもと、不動産資産に乏しい中小企業の資金調達の円滑化を更に推進することが重要です。
ここまで制度融資を中心に都内中小企業に対する融資の現状について、尋ねてきました。来年度には地域の金融機関と連携して、新たな融資制度を創設すると聞いております。
最後に、現状の未曾有の厳しい経済状況の中で、都は中小企業金融の一層の充実に向けてどのように取り組んでいくのか、知事の所見をお伺いします。
[答弁⑨] 知事
・昨年秋以降の厳しい経済状況の中で、中小零細企業は受注の減少や資金繰りの悪化など、極めて深刻な痛手を負っている。また一方、企業にとっては血液ともいえる資金というものが通わずに、中には黒字で倒産している会社も沢山あるわけであり、需要の創出をはじめとする景気対策は一義的には国の責任であるが、このまま手を拱いていては、多くの企業は疲弊し、東京の産業が衰微しかねない。
・都は、切迫する中小零細企業の資金繰りを緊急に支えるため、平成二十一年度予算において、緊急保証制度など制度融資を拡充するとともに、独自の取組として、地域の金融機関と連携して、新たな融資制度を創設する。
・さらに、中小企業の資金調達手段の多様化を図るため、不動産担保等に過度に依存しない「機会・設備担保融資制度」も開始する考えである。
・このように、時機を失することなく、様々な金融支援策を講じることにより、都内小零細企業が現下の厳しい経営環境を乗り越えることができるよう、全力を尽くしていく。
加えて申し上げたいのは、日本のように産業の底辺で致命的に重要な製品というのをつくっている、こういう小零細企業の存在というのは、ほとんど世界にない。こういう特殊な機構というものに対する認識は、国の行政に決定的に欠けていると思う。こういったものを補うことこそ地方自治体の責任であるが、特に東京は、そういった日本の産業を左右しかねない致命的な、しかし、非常に弱い小零細企業が密集している地域であり、そういう意味でも東京のこれからの試みは、国の命運を左右しかねない重大な意味を持っていると思う。
先日日経平均株価の終値が、バブル後最安値を更新したことで、株式を多く保有する銀行の経営に与える影響も、心配される状況になってきております。銀行の財務状況が悪化すると、健全性を示す自己資本比率の水準を維持するために、融資の審査を一段と厳しくせざるを得ない状況となり、企業の資金繰りに大きな影響が出てまいります。自己資本比率の低い中小零細企業は、安定的融資が疑似的な資本となるため、「べた貸し」常態であり、「折り返し」こそ中小企業金融の生命線であります。そうしたことを考慮して、今後とも中小零細企業への「制度融資」の充実を要望するとともに、先日、政府より打ち出された金融円滑化対策により、絶対に貸し渋りや貸し剥がしが行われることのないように、金融庁の監督をしっかりして頂きたいと願っております。
次に周産期医療体制の充実についてお伺いします。
今定例会や予特の中でも、様々触れられておりますが、昨今の周産期医療をめぐる医療事情は、連日マスコミに報道されているように大変厳しいものがあります。
これは全国的な問題でありますが、過酷な勤務や訴訟リスクなどにより、産科医のなり手が減少し、勤務医が確保できず、産科診療が休止に追い込まれるなど、都内においても深刻な事態となっております。
私の地元でもあり、知事の地元でもある大田区も例外でなく、昨日の山下委員の資料は、少し古いように思われますが、大田区の場合は、確保されていたものが、ここ2,3年のうちに医師不足によって大学病院による医師の引き上げが行われ、やめられていくという深刻な状況になっております。現実に、東京都保健医療公社が運営する荏原病院においても、平成19年10月以降、産婦人科が医師不足となり、やむなく医師による分娩を休止せざるを得ない状況となっております。
現在大田区では、年間5,300~5,600人の出生数がある中で、分娩が行える機関は7ヶ所と、大幅に減少し、その内2つの診療所は、ひと月に5回程度しか扱えず、区内の分娩施設だけでは、その半分も受け入れることができない深刻な状況であると聞いております。
そうしたことから、荏原病院の休止と昨年7月末からの元国保連の経営による蒲田総合病院の産婦人科の停止は、一気に年間1,200回分の分娩ができなくなったということで、周産期医療機関の不足は大変深刻な状況になっております。
この間、荏原病院は助産師外来や院内助産所による分娩に取り組み、医療サービスの低下を最小限に留める努力もしております。
また現在勤務している産科医の離職を防ぐとともに、新たに産科医を確保するため、都立病院や公社病院においては、医師の処遇改善を行うなど様々な取り組みを行い、我が党としても全面的にバックアップしてまいりました。
こうした中、荏原病院では大田区長の尽力もあり、平成21年度には大学医局から医師の派遣を受けて、その後分娩を本格的に再開していくと伺っておりますが、今後の見通しについてお伺いします。
[答弁⑩]
・全国的な産科医不足の中で、産科医の確保は依然として困難な状況。
・こうした中にあって、荏原病院においては、分娩の再開に向け、医師の派遣を予定している大学医局と打合せを重ねてきた。
・この結果、4月中に分娩の予約を開始し、この10月には医師による分娩を再開できる見通しが立ち、現在その準備を進めている。
この件は、先日行われました大田区議会の予算委員会の、我が党の総括質疑でも触れられておりました。大田区民にとって大変関心の高い問題であり、とりあえず医師による分娩再開について、見通しが立ってきたことは大変歓迎すべきことであります。また妊娠から出産まで数ヶ月間かかるということを考えると、実際に分娩が行われるまでには、期間を要するということは理解できます。地元では少しでも早く医師による分娩再開をしてもらいたいとの声が大きく、その期待に応えるためにも、十分な準備を行い、また混乱を招かないように、住民に対する広報活動もしっかりやって頂きたいと要望致します。
ところで、病院経営本部では昨年4月に、「東京医師アカデミー」を開講し、都立病院と公社病院とが一体となって、若手医師の育成・確保に取り組んでおり、大変期待されるところであります。
全国的に産科医の絶対数が不足しており、その確保に努めるにも、おのずと限界があります。医師確保対策については、本来、国がもっと力を入れていくべきでありますが、ただ手をこまねいているばかりでは、産科医の不足は一向に歯止めがかからず、負の連鎖反応が続くだけであり、都における医師アカデミーのような将来を見通した人材の育成・確保に向けた取り組みが非常に重要となってくるわけであります。そこで、「東京医師アカデミー」における医師の育成・確保に対する取り組み、特に産婦人科の状況についてお伺いします。
[答弁⑪]
・東京医師アカデミーは、昨年4月から開講した後期専門臨床研修制度。内科・外科系レジデントに対する短期ER研修の必須化、上級医師によるきめ細かい指導・評価制度を取り入れた研修システム。産科を含む12診療分野の専門コースを有している。
・現在、第1期生として都立病院・公社病院併せて109名のレジデントが研修中。産科については2名という状況であるが、来年度は5名採用の予定。本研修制度が、参加を目指す若手医師にとって一定の評価を得たものと考えている。
・カリキュラムなどの一層の充実に努め、都立・公社病院への確保・定着に資するように取り組んでいく。
産科医療を扱う医療施設が不足する中で、都立病院や公社病院に対する都民の期待はとりわけ高いものがあります。医師アカデミー第1期生の産婦人科研修が終了するのは、平成23年3月になると聞いておりますが、それらアカデミー生の方々が、研修終了後も是非都立病院や公社病院に残って頂くよう魅力ある研修として頂きたいものであります。また今後とも都立病院、公社病院ともに産婦人科医師の育成・確保に努めて頂きますよう要望致します。
次に女性医師の離職防止、復職支援についてお伺い致します。
周産期医療は、産科医、小児科医、麻酔科医の連携が欠かせない中、その4割が女性医師であるという現実があり、不足するそうした医師を確保するには、看護師の場合と同じように、結婚、子育てなどの理由で離職中の女性医師を職場復帰させる取り組み、また離職させない取り組みが必要であります。
例えば、院内保育室の充実、復帰に向けてのトレーニングプログラムの導入、また勤務体系の見直しなど喫緊の課題であります。その他、日勤4~5時間は非常勤扱いされてしまうことや、周産期医療において麻酔科医は、非常勤の方が多いという現状など改善すべき点であると思われます。
そこで都は、今年度から医師勤務環境改善事業を開始し、病院勤務医の勤務環境の改善や、女性医師の復職支援についての取り組みを進めておりますが、来年度に向けてこの事業をどのように充実させていくのかお伺いします。
[答弁⑫]
・今年度から、周産期母子医療センターや救命救急センターなどの医師の勤務環境を改善するため、交代制勤務や短時間勤務の正職員制度の導入、また女性医師の一人一人のキャリアや状況に応じた復職研修など、職場への定着や再就業を促進する病院の取り組みを支援している。
・来年度は、ミドルリスクの妊産婦に対応する周産期連携病院についても、新たに対象に加える予定。さらに、より多くの医療機関で勤務環境改善が図られるよう、先駆的な取り組みの事例を紹介するなど普及に努める。
医師の確保は、すぐに改善できる問題ではありませんので、何度も触れておりますが、今できることを一つ一つ改善していくことが大切であります。女性医師が4割を占める状況において、こうした取り組みは、大変重要でありますので、今後とも力を入れて頂きたいと要望致します。
さて、昨年起きた母体搬送時案からは、病院の受入体制や、搬送先選定の調整、医師の確保などにおいて、今後改善すべき課題が浮き彫りとなりました。このため、都は、これらの課題に速やかに対応するため、東京緊急対策Ⅱを示すとともに、周産期医療関連の来年度予算を大幅に増やし、様々な対策を充実させました。
先の代表質問では、我が党が強く主張してきた、母体救命が必要な妊産婦を必ず受け入れる、いわゆる「スーパー総合周産期センター」を今月スタートさせるとともに、今後、新たに設置するコーディネーターが都全域においてその機能を担っていくとの答弁を頂きました。
そこで、周産期医療を担う医療機関全体に対する取り組みについて確認します。
そもそも、地域内の分娩施設が減少していることが、子供を産む施設を見つけるのが大変という要因となり、出産に不安を抱く都民も多くなってきております。
分娩取扱施設の減少にブレーキをかけ、都民が地域全体で安心して産める環境づくりを進めるべきであります。
都は、このため、診療所等と比較的リスクの高い分娩を扱う病院とが機能に応じた役割分担と連携を進めていると聞いておりますが、一方、周産期母子医療センターの医師や医師会の先生方に聞くと、連携体制の構築には時間がかかると言われております。
これはまだ、連携の意義が十分浸透されておらず、効果が見えにくいからなのではないでしょうか。
本来連携は、日頃より検診を通じて妊婦のリスクを把握し、適切な時期にリスクに応じた医療機関への紹介をされることで、妊産婦が緊急搬送を要する事態に至らないようにすることが、大きな目的であります。
身近な地域での連携という仕組みを、都全域で進める必要があり、この仕組みの立ち上げには、都の積極的なかかわりが重要であります。
分娩取扱医療機関が減少している中で、地域で安心して子供が産めるよう、どのように一次・二次・三次の周産期医療を担う医療機関の連携体制を推進していくのかお伺いします。
[答弁⑬]
・妊娠初期から産後に至るまで、緊急の有無を問わず、診療所、病院、周産期母子医療センター等によるネットワークグループの立ち上げは、きわめて重要。
・このため、連携を進めるためのツールとしてガイドラインを作成し、紹介時に必要な患者情報や、検査の項目や時期の目安、ネットワークグループの進め方などを示している。
・さらに、3月創設した周産期連携病院が二次医療機関の中心となって、医療連携を推進できるよう、周産期医療情報システムを設置し、周産期母子医療センターと空きベッドなど診療情報を共有化できる体制を整える。
・これらにより、地域で周産期を担う医療機関相互の連携を更に推進していく。
この仕組みが各地域に浸透し、地域の周産期医療を担う医療機関同士の顔の見える連携が進めば、診療所等も安心して、分娩を取り扱っていけることが期待できます。
最後に都内の分娩に関わる全ての医療機関が有機的に連携し、都民が安心して出産できる仕組みづくりを、今後も強力に進めてほしいということを要望して、次の質問に移ります。
次に、介護現場の問題と、介護人材の確保と定着促進について伺います。
介護現場の人手不足の問題は深刻です。最近の景況悪化により、以前より求人状況が少し良くなっているのではという声も聞かれますが、私は、介護の現場が、そもそも不況にならないと人が集められないような現場であってはならないと強く感じております。
「重労働で低賃金」というイメージの強い介護分野は非常に厳しい状況に置かれています。東京の介護関連職種の有効求人倍率は、平成19年度で3.52倍と、全職業計の1.30倍を大きく上回っております。
大都市である東京は、就業機会が多く、他業種との人材獲得競争も厳しいことから、介護人材の確保は一層の困難を極めており、都は一昨年5月と昨年6月の2回にわたり、大都市にふさわしい介護報酬のあり方を国に提言してきました。
このような努力が結実し、昨年12月に、国は介護従事者の処遇改善に主眼を置き、介護報酬について、制度創設以来初の増額改定(3%アップ)に踏み切ったところであります。
これにより、個々の現場職員の給料も若干上がるといわれています。全国調査によれば、例えば平成19年の女性のホームヘルパー(勤続5.1年)の平均的な現金給与額(基本給、諸手当、超過労働給与額含む)は、月額20万7400円です。しかし、ホームヘルパーにはパートタイマーも多いですから、これより低い給料の人も大勢いるわけです。こうした方々の給料が、3%の介護報酬改定により若干上がったところで、それで介護人材が定着するというのは、楽観的すぎます。
例えば、私が知っている常勤換算で10名くらいのヘルパーを抱える訪問介護事業所では、新たに創設された加算分も含め、今回の改定で、月額およそ7%程度の増収が見込めるとの試算をしています。特別区の場合、訪問介護事業所の給与費の割合はおよそ84%ですので、増収分の8割以上は職員の処遇改善に充てられるべきです。
しかしながら、介護の職場自体に魅力がなければ、この仕事を本気で長くやろうという若い人々は集まりません。やる気のある人材を職場に定着させ、中核となる人材として長く活躍してもらうには、もちろん給料、すなわち介護報酬も大切ですが、決してそれだけの問題ではないと考えます。
私は、給料の問題と同じくらい重要なのは、「働きやすい職場づくり」であり、それを促す取り組みや環境づくりだと考えています。
平成19年度の全国調査では、介護関係職種の離職率は21.6%と、全産業平均16.2%に比べ高い状況にあります。また、介護従事者のうち約75%が勤続3年未満で離職しています。
実に75%が3年未満で離職しているという実態に、私は驚かされます。多くの介護従事者が勤続3年未満では、中核となる人材も育ちにくく、組織としても非常に脆弱という状況ではないでしょうか。
こうした厳しい状況を打開するため、我が党でも、介護人材の確保・定着に向けて、ボランティア活動への環境作りなど、4億6000万円の予算を計上しました。
そこで伺いますが、都は、このように離職者が多く、組織としても脆弱と言わざるを得ない介護現場の実態をどのように認識しているのか、また復活予算も含め、介護人材の早期の離職防止や定着促進に向け、具体的にどのように取り組んでいくのかお伺いします。
[答弁⑭]
・介護現場における高い離職率の背景には、給与を初めとする労働環境への不満や身体的負担、採用時の研修、教育体制の不備などがあるものと考えられる。こうしたことから、都では今年度、経営者やリーダー層を対象にマネジメント能力の向上を図る取り組みを実施している。
・さらに来年度、復活予算の事業の一つであるが、経営コンサルタントを活用した雇用軽減を目的とした福祉機器の導入などにより、介護人材の定着促進に取り組む事業者を強力に支援していく。
・介護報酬については、大都市の特性を踏まえたものとなるよう、引き続き国に要望していく。
今後ともマンパワーが介護保険制度の生命線でありますので、介護人材の定着・促進のために職場改善に向けての強力な支援を宜しくお願いします。
介護人材の定着促進には、処遇改善も重要ですが、魅力ある職場づくり、職場環境の改善への取り組みも不可欠です。中でも、研修や国家資格取得支援など、職員の資質向上に向けた取り組みは、私は大変重要なものと考えております。
なぜなら、先に改定された介護報酬においては、例えば30%など、一定の割合の介護福祉士を抱える介護事業者には収入増となる各種の加算が設けられております。職員の資質向上への取り組みは、サービスの質を向上させ、職員の処遇改善に努力しようとする事業者側にとってもメリットがあります。
そこでお伺いしますが、例えば訪問介護事業所では、収入増となる加算を取得するためには、「ホームヘルパー総数のうち、介護福祉士・介護職員基礎研修課程修了者・ホームヘルパー1級の合計が50%以上であること」という要件があります。多少ハードルが高く感じますが、サービスの質の向上には欠かせないことと考えております。
ついては、都においても、介護職員基礎研修も含め、職員の資質を高める研修の受講を奨励する支援策を講じるべきと考えますが、ご所見をお伺いします。
[答弁⑮]
・お話の介護職員基礎研修は、平成18年度に導入された研修制度で、ホームヘルパー1級、2級取得者などが実務経験年数に応じ、一定時間の研修を受けることで、介護職員の専門性を高め、介護サービスの質の向上を図るものである。
・現在、国においては、平成24年度を目途に、現行の訪問介護員養成研修1級課程を介護職員基礎研修に一元化するという方向が示されているが、制度としては過渡的な状況にある。
・こうした状況を踏まえ、都としては、職員の資質を高める研修について、来年度から、施設等が行う職員の介護福祉士国家資格取得支援や職場内研修に関わる経費等を補助する「介護人材育成・職場改善等支援事業」を実施していきたい。
経営者がきちんと経営方針を定め、職場に有資格者を一定数確保するなどの経営改善に取り組み、加算による増収のための努力をすべきであります。そのような事業者の努力がなければ、やる気のある優秀な人材を介護の現場に定着させることは困難であり、心のこもった介護を提供することはできません。介護事業者の人材育成について、都の強力なバックアップを強く要望します。
しかしながらひとつ、気になることがあります。それは、訪問系事業所などに多くみられる、小規模な事業所への支援です。
事業所数で、訪問系事業所は施設を大きく上回りますが、大きな施設と異なり、外部研修等にヘルパー1人派遣することすら困難であり、人材育成に苦慮しているとの声も聞かれます。
このような小規模な訪問系事業所に対する人材の定着支援については、都はどのように取り組んでいくのかお伺いします。
[答弁⑯]
・これまで都は、区市町村内の福祉・介護人材の資質向上・確保を図るため、福祉・介護の現場で働く職員等を対象にスキルアップ等を目的とした研修を行う区市町村を支援してきた。
・さらに来年度から、訪問介護事業所でホームヘルパーの指導や支援を行うサービス提供責任者に対する現任研修や、介護福祉士国家資格の取得支援を内容とする「サービス提供責任者支援事業」を実施する。
・本事業によりサービス提供責任者の人事管理能力等を向上させることで、ホームヘルパーの定着促進に寄与するものと考えている。
今後とも是非宜しくお願い致します。
最後にお伺いしますが、定着促進には職員の専門性の向上など、従事者がその仕事に誇りや意欲を持ち続けられるような支援策も必要ではないでしょうか。所見をお伺いします。
[答弁⑰] 
・介護従事者の専門性を向上させる新たな取り組みとして、来年度より医療と介護の連携強化に向け、ホームヘルパーや介護施設職員を対象として医学的な知識の付与や緊急時対応などを内容とする「介護職員スキルアップ研修事業」を実施する。
・また、介護職員等の研究発表会や、イベントの活用などにより、介護の仕事への理解を深め、社会的評価の向上につなげていく。
・こうした施策より、職員の専門性とモチベーションの向上を図るとともに、より安全で質の高い介護サービスの提供に努めていく。
高齢化の進展に伴い、介護人材への需要は増大しますが、人材の確保と定着は一朝一夕で解決する問題ではありません。
これから数年で人口の約1/4が高齢者になる東京で、要介護高齢者の自立と尊厳を支える介護を担う人材が集められなくては、施設や事業所をいくら増やしても、介護保険事業計画で予定されているサービス量が増やせません。
まさに人材が、サービスのカギなのです。これから若年人口が減少していく中、介護人材の確保・定着は、介護基盤のソフト面の施策として、ハード面の施策である施設整備と同じくらいの重要性を帯びてくると思います。
今後、都が介護人材の確保・定着に向け一層多角的な施策展開を継続することを強く要望し、次の質問に移ります。
次に「総合設計制度について」お伺いします。
東京をさらに成熟した都市へと高めていくためには、豊かな緑や美しい街並み、災害に対する安全性などを備えた、質の高い都市空間を形成する必要があります。
とりわけ、都市空間の形成に影響力のある大規模な建築物については、行政が計画段階から関与し、適切に誘導することが重要です。
その有力な手段の一つに、建築基準法に基づく総合設計制度があります。
この制度は、公開空地の整備を条件に、行政の許可により容積率等の緩和を認めるものですが、この制度を用いた建築計画については、周辺住民などから見直しを求める請願や陳情がたびたび出されており、私が以前所属していた都市整備委員会でも議論がございました。
現行の総合設計制度は、公開空地の面積が増えるほど、容積率の割増が大きくなる仕組みであり、場所にかかわらず、高層化したタワー状の建築計画が多く見られるなど、画一的な建築計画を生み出す傾向があります。
最近では、住環境の保全や街並み形成の観点から、建築物の高さについて一律に制限したり、独自の制限を設ける地域も増えており、今後は、それらとの折り合いを付けていくことも重要です。
民間事業者による活用実績も多く、「恵比寿ガーデンプレイス」などの事例をみれば分かる通り、地域の状況に応じて適切に活用されれば、良質な都市空間を生み出すことのできる制度でありますので、今後とも制度改善、充実を図りながら、効果的に活用していくべきと考えます。
そこで、何点かお伺いします。
総合設計制度は、昭和51年に創設されて以来、多数の実績を重ねてきましたが、これまでに総合設計制度の果たしてきた役割について、都はどのように評価しているのかお伺いします。
[答弁⑱] 都市整備局長
・総合設計制度は、敷地内に公開空地を設けることなどにより、容積率等を緩和する制度で、市街地環境の整備改善を図る上で有効な手段の一つ。
・都は、制度の積極的な活用により、都心居住の推進、老朽マンションの建て替え促進、公開空地の整備など、まちづくりの課題に対応。
・これまでに600件を超す許可実績があり、日比谷公園11個分に相当する公開空地と約8万戸の住宅の整備、住宅ストックの更新など、豊かな都市づくりに貢献。
総合設計制度が、東京の都市づくりに重要な役割を果たしてきたことはよく分かりましたが、近年では、都市づくりにおいて景観や環境がより重視されるようになるなど、制度創設当初と比べ、社会ニーズが大きく変化してきています。
単に空地を設ければいい、住宅をつくればいいという時代ではなくなりつつあると考えます。
総合設計制度について、空き地の確保に重点を置いた従来の考え方だけでなく、新たな発想を取り入れ、地域の魅力を増進する建築計画を誘導できる制度を構築することにより、民間の投資意欲を引き出すようにすべきと考えますが、所見をお伺いします。
[答弁⑲] 都市整備局長
・都市づくりの課題は、低炭素型都市の構築や美しい景観の創出、建物の耐震化など、多岐にわたっており、総合設計制度についても、これらに対応できるものにしていくことが望ましい。
・公開空地の面積に応じて容積率の割り増しを行う従来の仕組みに加え、まちづくりへの貢献度を多角的に評価し容積率等を定める仕組みの導入が考えられる。
・地域ニーズを踏まえ、民間の創意工夫を引き出す新たな制度を検討し、来年度の早い時期に適用できるよう取り組む。
良質な都市空間を形成するには、行政の時代を見据えた積極的な関わりが不可欠であり、民間事業者をまちづくりの課題に対応するよう促すきっかけ作りが重要であります。是非日本の首都東京にふさわしい、風格のある良質な都市空間形成に向けて、この制度を推進して頂きたしと思います。
最後に、制度の運用に当たっては、地域の実情に配慮し、公正中立な立場で、適正な評価・判断を行うこと、許可に至るまでの手続きの透明性を確保することが大変重要であり、その点を強く要望して私の質問を終わります。

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