2008年10月27日 決算特別委員会(分科会質疑) | 「ゆるぎない信念が東京を変える!」「誠実に、まっすぐに。」

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2008年10月27日 決算特別委員会(分科会質疑)

現在国においては、総務省により新地方公会計制度導入を都道府県など人口3万人以上の都市では、平成21年度秋を目処に、連結財務4表の整備又は4表作成に必要な情報開示に取り組むこととされております。
そうした中で都は平成18年度より、全国に先駆けて公会計制度を導入し、それに基づく決算は今回が2回目となります。ストック(資産、負債、資本)を表す貸借対照表と、民間企業のフローを表す損益計算書に当たる行政コスト計算書、現金収支の状況を示したキャッシュ・フロー計算書、正味財産の変動状況を示した正味財産変動計算書の4表を作成したことにより、精度の高い財務諸表の経年比較が行えることになり、職員のコスト意識や金利感覚が高まり、一層の効率化、効果的な行政運営が行えるようになっていくものと期待しております。
特に、先般報告のあった年次財務報告書では、昨年度に比べてグラフを用いるなど、前回からの改善に向けた努力の跡が見て取れます。また、もう一つの特徴として、コラムが掲載されていることが挙げられます。今回のコラムは、「将来世代負担と今後の都債発行」という話題で、内容も大変わかりやすく、興味深く読ませていただきました。
そこで、今回の報告書に、コラムを掲載した意図についてまずお伺いします。
[主計部長答弁①]
景気減速により厳しい税収環境が予想される中、今後増大が見込まれる社会資本ストックの更新等に必要となる財源をいかに確保していくかは、都財政にとって大きな課題の一つであると認識。
一方、都財政はバブル崩壊後の急激な税収減への対応において、徹底した内部努力でも賄えない巨額の財源不足を補うために大量発行した都債の償還が、その後の財政運営の桎梏となったという苦い経験をしている。
今後、生産年齢人口が減少に転じると予測される中にあって、都税の減収局面で都債の大量発行という同様の手法をとるようなことになれば、将来世代の負担が多大なるものとなるおそれがある。
こうしたことから、生産年齢人口一人当たりの都債残高の推移を試算し、都債発行の適切な管理の必要性について、より多くの都民に理解してもらえるよう、分かりやすく解説したもの。
私も昨年の第三回定例会の一般質問でも申し上げましたが、都債は東京の未来づくりの貴重な財源であり、コラムにあるように将来世代の負担に配慮しつつ、今後も適切に活用していくことが重要だという点については、全く同感であります。
そこで、今後の都債戦略に関連して、いくつか伺っていきたいと思います。
まず、石原知事が就任してから直近の19年度決算までの、都債発行額の推移について伺います。
[主計部長答弁②]
都債は、世代間の負担の公平性の確保や負担の平準化を図る観点から、投資的経費などの財源として適切に活用している。
石原知事が就任する直前の予算に基づく平成11年度一般会計決算では、7,265億円の都債を発行していた。
その後知事が就任し予算編成を行った12年度以降は、財政再建推進プランに基づき投資的経費を抑制した結果、都債発行が減少傾向となっている。都債発行額は12年度から16年度は、3千億円台から4千億円台で推移し、17年度は2千億円台となっている。
18年度以降は2千億円台も下回り、直近の19年度決算においては、財政状況や後年度の財政負担等を勘案して、都債発行を抑制した結果、発行額は1,302億円となった。
都債発行額は、知事が就任する前に比べて大幅に減少していることがわかりました。ポイントは、この間の国による異常な低金利の状況にあっても安易に都債の発行を増やさず、財政状況や後年度の財政負担等を勘案して発行していることであります。
私は1990年代を通しての大不況の時代を招いた原因は、単にバブルの後遺症というよりも、経済のグローバル化によるところが大きいと感じております。
グローバル化により、中国などの新興国がそれまでの日本のシステルを追随して成長を開始したころにより、人件費や土地代の高い日本企業の競争力が失われるのは当然であり、日本の環境は、企業が生産活動を続ける環境ではなくなり、そんな環境のところに、デフレを克服しようと、従来通りの低金利による需要喚起政策を続けても何ら効果がなかったのは当然であり、それでも資金を市中に流し続け、その資金は不良債権処理に使われただけで、国民の資産デフレによる貯蓄率はどんどん低くなってしまい、更にだぼついたお金が、米国の金融不安の要因にもなっているのが現実であります。
そうした状況の中でも、独立した地方都市として、金利の歴史を踏まえ、自然金利を前提とした、財政運営が肝要なことと思っております。
そこで、将来世代の負担を増やさないためには、都債の発行や残高の適切な管理が必要になりますが、都債の管理を行う上で前提となる都債の償還の仕組みと都債残高の推移について伺います。
[主計部長答弁③]
都債は通常、10年満期一括償還方式の市場公募債で借り入れ、10年ごとにその一定割合を借り換えて合計30年間で償還する仕組みとなっている。このため、残高は借換えにより一定割合が減少するものの、起債による都財政への影響は、30年間残ることとなる。
一般会計の都債残高は、平成13年度末に最大7兆6,384億円まで膨らんだものの、その後は減少傾向に転じ、19年度末は6兆4,338億円で、都営住宅等事業会計など他会計移管分の影響を控除すると、4,220億円の減となっている。これは、財政再建に取り組む中、内部努力や施策の見直しによって新規債や特別な地方債の借換えをよくせいしてきたことによるものである。
知事が就任してから都債の発行を抑制してきましたが、都債の償還の仕組みを踏まえると、一朝一夕に都債残高を減らすことは容易ではないがよくわかります。
また、これまでの国による突然の減税や、東京富裕論による信じがたい暴挙が行われた中でも、継続的な取り組みにより都債残高を減らしてきたことは高く評価できます。
一方、公債は税金手形であり、乱発すると破産すると230年前から指摘されているにも拘らず国債に大きく依存した財政運営をしている国は、ここ数年先ほど指摘したように、低金利政策により、国債費を一定の水準に保っておりますが、今後金利が自然金利に向けて上昇した場合、国債残高が危険水域に達している国は利払いの増などによる影響をもろに受け、一気に財政的に破たん状態に陥る恐れがあります。
都は、国に先駆けて公会計制度改革に取り組み、将来世代の負担への配慮や金利感覚を持つのなど、これまでの堅実な対応を行ってきています。その結果、今後、ストックとしての都債残高は、トレンドとして減少することと思いますが、フローである単年度の都債償還費の動向も気なるところです。
そこで、今後の都債償還の見込みについて伺います。
[主計部長答弁④]
平成19年度までに既に発行した都債の元金償還額については、23、24年度には4千億円台まで減少するものの、バブル崩壊後に大量発行した都債が償還となる25年度は8千億円台、26年度は7千億円台となり、ピークを迎える見込みである。
「10年後の東京」の実現や、少子高齢化の進展による財政需要増大が見込まれる中、必要とされる都民サービスを安定的に供給していくには、ある程度公債費を平準化し、財政への負担を軽減することが重要であると考えます。
今後、先程の答弁にありました平成25年度の元金償還額のピークに対し、これまで都としてどのような対応をされてきたのか、伺います。
[主計部長答弁⑤]
平成20年度予算において、過去に発行した都債のうち、25年度の元金償還額のピークと償還が重なる市場公募5年債1,519億円の借換えを抑制している。
これにより、都債償還ピークをなだらかにし、償還額を平準化するとともに、都債残高の圧縮により利払い額の軽減も図られる。
さらに、減債基金の積立不足の解消に向けた取組をこれまで続けてきた結果、19年度決算において積立不足を解消し、将来の都債償還に備えている。
都としても、都債の元金償還がピークを迎えることに手をこまねいている訳ではなく、発行を含めた都債管理に戦略的に取り組んでいることがわかりました。
今後、都財政は金融危機を引き金にした実体経済の悪化により、税収が大幅に落ち込むリスクに直面しています。
こうした中にあっては、「10年度の東京」をはじめとする、東京の将来を見据えた施策の積極的な展開を支える財源として、都債の適切な活用がますます重要になってくると考えます。
最後に、財務局長に今後の都債戦略について伺い、質問を終わります。
[財務局長答弁⑥]
都債は、世代間の負担の公平のための調整機能と、財政負担を後年度に平準化するという年度間の調整機能を併せ持っており、社会資本ストックの形成・更新等の重要な財源である。
しかしながら、都債の償還が増え過ぎると、将来の安定的な行政サービスの提供が困難になる恐れがある。したがって、都債の発行にあたっては、将来世代の負担が多大にならないよう、適切に管理しなければならない。
また、都債は市場から資金を調達していることから、市場において、いかに都債の評価を高めるかが重要である。このため、都債の商品性の向上という観点から、都債の格付け取得や海外IRの実施など先進的な取組を行ってきている。
今後の都債戦略については、バブル崩壊後の一時期に都債を大量に発行した経験を教訓とし、その時々の財政状況や後年度の財政負担、世代間の負担の公平等を踏まえながら、中長期的な視点に立った都債の活用に努めていく。

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