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一時保護における子どもの意見聴取の義務化に向けて

昨日の読売新聞の朝刊において、厚生労働省が5/21に、児童相談所が、親からの虐待などで一時保護した子どもを在宅指導に切り替えるかどうかを決めるにあたり、子ども本人への意見聴取を義務付ける方針を決めたとの記事が掲載されました。

私たちはこれまでも、虐待による不幸な死を無くすために、親子関係の改善を強く進めるだけでなく、子どもの声を丁寧に受け止めた対応を国に求めて参りましたが、この度の方針は一歩前進であり、子どもの最善の利益を保障する社会実現に向けて、これからもしっかり取り組んで参ります。

先日の私のブログ「ケアリーバーの支援の拡充に向けて」でも触れましたが、我が国の児童福祉法の大幅改正に影響を与えた、1989年に国連総会で採択された「子どもの権利条約」は、子どもの「最善の利益を保障」し、子ども自身を「権利行使の主体者」として、子どもの「意見表明権」を尊重することが謳われています。日本は、1994年に158番目にこの条約を批准しましたが、国内法の整備が進まない状況でした。

その間、千葉県野田市で2019年に小学4年の10歳女児が虐待で亡くなった事件で、県の児相に一時保護された女児が、父親による性被害を打ち明けましたが、児相が一ヶ月で在宅指導に切り替えていたことが大きな波紋を呼び、その後虐待により在宅指導中の子どもが命を落とす事例がほかにも相次いでいることが判明し、子ども本人の声をきちんとすくい上げる仕組み作りが必要との判断がなされました。この事により、児童福祉施設への入所や里親などで、親子を分離させる際も、子どもの意見聴取を行う方針で、来年の法改正に動き出しました。

これまで児相において、保護者による暴力や育児放棄などで、家庭での養育が困難と判断された場合でも、一時保護所への保護者からの強いプレッシャーにより、また親子関係の改善を期待し過ぎて、子どもの意見聴取は行われておりませんでした。

児童福祉法を巡っては、一時保護の透明性を高めるため、厚生労働省が家庭裁判所の承認するケースを増やす方向で、法改正を検討しており、来年の改正が予定通り進むよう注視して参ります。