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東京の未来をひらく

2020年は新型コロナウイルスに翻弄された1年でした。緊急事態宣言が発令された2020年4月の各判断指数DI(景気ウォッチャー調査)は統計開始以来最低の7.9を記録(景気判断の分岐点50で、下回ると景気後退が感じられている)しました。実際に2020年4~6月の実質国内総生産(GDP)は、前期比年率で29.2%と大きく落ち込みました。その後7~9月期には、プラス22.9%と大幅な反動増になり、「GoToキャンペーン」の効果もあり、10月には54,5となり回復の期待が高まりましたが、その後の第3波の影響で11月のDIは前月差8.9ポイント低下し、新型コロナウイルスによる要因が景気動向に大きく影響していると報告されております。こうした事からも、新型コロナウイルスの感染拡大を、国の指標のレベル2~3以内に押さえ込んでいくことが、景気回復に何よりも重要な要素と言えます。

最終的に昨年の日本の実質GDPは、27兆円落ち込み、リーマンショックに匹敵する減少となりました。景気後退時に企業倒産が急増すると、長期失業者や就業意欲喪失者が増え、社会不安が生じます。経済基盤の弱い中小・小規模事業者が全企業の99.7%を占め、雇用の1/4を受け入れている現状において、政府が企業倒産を防ぎ雇用を支えた政府系及び民間金融機関等による貸出や、持続化給付金、雇用調整助成金、家賃支援給付金の財政措置は有効だったと言えますが、今後も感染拡大により業績が悪化していくと解雇や雇止めが増えることが懸念されます。そのために都においても、重点施策の1つとして対応して参ります。

具体的にコロナ禍における対応として、2万人を超える雇用創出を展開します。

例えば、派遣会社に登録した雇用創出・安定化支援事業の支援者を一人最大3社まで派遣期間一社2ヶ月、5000人をトライアル就業として派遣し、その求職者を正社員として採用した企業に就職氷河期世代は最大90万円、その他世代は最大60万円助成し雇用創出を行います。

また、今後非正規労働者を大きく減らす傾向があり、シングルで子育てをされている非正規雇用の方は、大変厳しい状況にあります。この件については、知事に、シングルで子育てをされている非正規雇用の方を採用する企業へ助成金を支給する制度の創設を要望しております。

また、子育てなどの理由からテレワークを希望する女性の雇用拡大や、職業スキル向上のため、東京しごとセンターや都立職業能力開発センター等を通じ、デジタル人材育成など多面的な支援を展開します。

次に、経済の6割を占める消費支出は、コロナ禍における外出自粛により、前年比5.3%減少し、2001年以降で最大の落ち込みとなりました。特に、観光、外食、サービス産業や化粧品等の生活用品産業は大変厳しい状況です。一方、自宅で過ごす時間が増えたことで、テレビ、ゲームソフト、加湿器、空気清浄機、炊事用家電製品、更に通販、食料品支出は大きく増加しました。この様に二極化した消費動向において、全体的な景気後退による年末のボーナスカットなど個人所得の減少により、先行き不透明な状況の中で、消費支出の動向を注視し、様々な対応の検討が求められます。

政府の総合経済対策では、日本の回復局面における成長率が主要先進国より低く、コロナ前の経済水準に回帰する時期が遅れるとの見通しから、財政投融資を含むあらゆる政策手段により、財政出動の拡大を図り、コロナ禍を契機に構造改革を促す成長戦略が示されました。要は、デジタル技術、ビックデータを活用し、課題である中小企業の生産性向上の実現と、新しい社会を支えるイノベーションの創出、グリーン社会の実現、活力ある地方創世の実現を目指す戦略です。

都においては、今年9月に都庁のデジタル化を推進するためのデジタル局を設置し、都庁改革を行うとともに、こうした国の取組みと連携し、AI、IoT、5Gなどの技術革新をいち早く取り込むことで、デジタル化を加速させ、産業のデジタルトランスフォーメーション(DX、企業がデジタル技術を浸透させることで、人々の生活をより良いものへと変革し、既存の価値観や枠組みを根底から覆すような革新的なイノベーションをもたらすもの)を進め、付加価値の高い製品・サービスの創出へつなげます。

具体的には、産業技術研究センターに、5G環境を備えた「DX推進センター」を開設し、中小企業の5Gを活用した生産性向上やイノベーションに向けた実証実験を支援し、更にはDXやイノベーション推進の設備投資支援や、大学等との連携により行う技術・製品開発等への支援、あらゆる産業や生活の場面で、5Gやビックデータ等の最先端技術を駆使した質の高いサービスが提供される(東京版Society5.0)「スマート東京」ことにより、社会変革に対応した新たなサービスの創出支援を新規に取り組みます。

また、東京が世界規模のESGの知・技術・資金が集積する金融都市となることを実現するため、国内外からESG資金を集める「Tokyo Green Finance Market(仮称)」の創設に向け検討するとともに、都の出資を呼び水として、水素ステーションなどのクリーンエネルギー拠点や再生可能エネルギーの発電所等の推進、グリーンファイナンスに取り組む金融系外国企業の誘致支援、フィンテック(ICTを駆使した金融商品・サービス)に取り組むスタートアップ(イノベーションを通じて、人々の生活、社会を変革するために起業・創業)等へファンドを創設した支援等を新規で推進します。

更にSDGs(持続可能な開発目標)やサステナブルリカバリー(持続可能な回復)を視点に、CO2排出量実質ゼロに貢献する「ゼロエミッション東京」を実現し、都内の新車販売を2030年までに、二輪車は2035年までに全て非ガソリン化する目標実現に向け、ZEV(ゼロエミッションビークル)の導入を促進します。

コロナ禍の中で、私たちの価値観や生活が大きく変わりました。ポストコロナは、こうした事を踏まえて、デジタル技術や5G、ビックデータを活用した技術革新を通し、イノベーション創出の取り組みを積極的に進め、日本社会が抱える構造的な課題を解決し、世界に選ばれる東京を創り出していくことが求められます。その先頭を東京が担い、日本の未来を切り開いて参ります。