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水素ステーション整備及び利用拡大に向けて

近年の激甚化する豪雨や記録的な猛暑など、気候変動による深刻な影響が、私たちの身近な生活にも及んでいる中で、昨年国において、脱炭素の実現に向け2050年に炭素排出量を実質ゼロとする「カーボンニュートラル」が掲げられ、政策を総動員する実行計画が公表されました。

国が公表した実行計画「グリーン成長戦略」では、脱炭素社会に向けて成長が期待される14の重要分野について目標が具体化され、エネルギー分野では再生可能エネルギーの大量導入に向け、「洋上風力」を「切り札」と位置づけ、また中心的な技術として「水素」の積極的活用(2050年に2000万トン程度の導入)を掲げました。

こうした目標に対し、トヨタ自動車など195の企業や自治体からなる「水素バリューチェーン推進協議会」から水素を主なエネルギー源とする「水素社会」の実現に向けた提言書が、3月16日に、梶山経済産業大臣に出されました。提言には、水素の需要拡大やコストの低減を促すことを求めるほか、水素の製造などインフラ設備を集中させた「水素特区」の設立などが盛り込まれております。

水素の利用拡大に向けた取り組みは、東京都で私たちの提言により、早い段階から推進しており、オリンピック選手村地区を環境先進都市のモデルとして、「選手村地区エネルギー整備計画」として取りまとめ、系統電力や都市ガスに加えて、水素や排熱などを重層的に組み合わせて利用することで、低炭素化、省エネルギー化、都市のレジリエンス強化の実現に取り組んできました。

また、水素利用の本格拡大に向け、水素ステーションの整備や、商用燃料電池車両の導入拡大を進めています。現在水素ステーションは、今年度中に21ヵ所開所し、更に2か所が整備を進めています。

また、商用燃料電池車両の導入においては、8事業者84台の導入を果たし、現在燃料電池ごみ収集車の運用事業を3ヵ年で早稲田大学、港区と協定を締結し、進めております。

水素利用を本格拡大するには、商用だけでなく、民間の利用を拡大していくことが求められる中で、私たちは、都内のガソリンスタンド(GS)におけるマルチエネルギーステーション化に向けて、経済産業省、業界などと話し合いを進めて参りました。

安全性の問題から、整備基準のハードルが高く、町のGSでの導入には、多くの課題がありましたが、今の機会を逃せば、水素ステーションの整備は不可能であるとの思いから、少しずつ、そのハードルが下げられているのが現実です。これからも、実証実験や世界での導入の例などを検証し、近くで手軽に水素が供給できますよう、既存GSでの整備に向けて取り組んで参ります。

そうした状況において、今年度の都の取り組みとして、街のGSが水素ステーションへ転換または併設する際の営業損失支援事業と、GSのマルチエネルギーステーション化に向けた急速充電器や、地産地消型再エネ設備設置、GSへのレンタカーシェア事業の導入等をパッケージ化した支援事業、インフラ事業者が設備を保有し、GS事業者に業務委託することで、初期費用の負担がなくなる事業など、積極的に取り組んで参ります。